「ユーモアコミュニケーション」を読みました

ユーモアコミュニケーション 読書

先日、サロンの忘年会があった。

普段はオンラインでのセミナーでしかできないメンバーと、リアルで会うのはおよそ2年ぶりだ。

このサロンには私にとっての恩人がたくさんいる。

・私をサロンに導く音声を提供してくださった主催者のたくちゃん(山口拓朗さん)。

・入会をためらっていた私を笑顔で、その場で上手に誘ってくれたスタッフSさん。

・世界ではじめて私を素人ではなく、『作家』だと認めて、恐縮する私を「もっと自信をもたなきゃだめ」とたくちゃんと一緒になって本気で怒ってくれたIさん。

・つたない私の小説を読んで、冗談でも「先生」と呼び続けてくれる仲良しご夫婦。

・ワークの回答がどんなにダメダメでも、良い側面をさがしてかならずほめてくださるやさしいスタッフMさん。

・尻込みする私の背中をパワフルな言葉で後押ししてくれるRちゃん。

山口さんの人柄なのだろうか、サロンのメンバーのみなさんは、優しくて向上心があって、みな、温かい。

他にもオンラインでしかお話できなかった方とリアルに会えるのがやっぱりうれしかった。

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その中でもとても楽しみにしていたことがある。それはユーモアコミュニケーション』の著者、草刈マーサさんにサインをもらうことだった。

サロンで呼んでいるのであえてマーサ、とよばせてもらうが、マーサとは何回かオンラインでお話させてもらう機会かあった。

オンラインで、初対面同士だとどうしても、会話は止まり、言葉に詰まりがちになる。けれども、マーサの手にかかると参加者みんなが積極的に発言するだけではなく、全体が和やかでやさしくて、流れるようにスムーズに会話が進んでいく。マーサの細かい気配りと笑顔のおかけだ。

なにより笑顔が素敵だ。マーサの笑顔は作り物でない。

彼女の笑顔は人が好きで、目の前の人を信じているから生まれる、自然で温かい笑顔だ。

なんてすてきなレディだろう。

こんな笑顔が普段からできる人になれたら、どんなに豊かな気持ちで日々を過ごせるだろうかとパソコンの中のマーサを眺めながらうらやましく思った。

そのマーサが『ユーモアコミュニケーション』という本の著者さんだと知ったのはつい最近だった。

 

マーサが初対面の人にも陽だまりのようなあたたかい笑顔を注げる理由は、きっとこの本に書かれている『ユーモア』に隠されているに違いないと私は早速、購入した。

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この本は全般にわたってユーモアセンス・ユーモア体質について書かれている。

「ユーモアセンス」とは面白いことをいうことではなくて、面白いことを見つけること

なのだそうだ。

「ユーモアセンスとは何か」から、「ユーモアセンスを身につける方法」がマーサの体験や関わった人たちとのエピソードとともにたくさん掲載されている。

私にとって「ユーモア」といえば、お笑い芸人さんがお客さんを爆笑させることや、海外のスピーチでかっこよくジョークを交えて場内を沸かせるといった、ハードルの高いプロのスキルだと思っていた。けれど、ここで書かれているのは、ユーモアを身につける「もののみかた」やちょっとしたコツで自分でもできる具体的なアンテナの張り方だ。

人にはいろいろな側面がある。

まじめな自分、いじわるな自分、落ち込みやすい自分、浅はかな自分、こどもっぽい自分。

そんな嫌いだった側面さえ「ユーモア」は変えることができる。

「ユーモア」というオブラートに包んで見方を変えれば、欠点のような出来事や性格も、慈しみたくなり、愛したくなる側面に変わっていける。

そんな魔法を手にしたら、どれだけの多くの人が心豊かで幸せで楽しい人生を送っていけるだろうか。

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本には、たくさんの「ユーモア」についての言葉が載っている。

どの言葉も心に刺さったが、中でも次の言葉が一番心に残った。

ユーモアのセンスがない人はスプリングのない荷車のようだ。

路上のどんな石ころにもガタガタ揺れる。

(ヘンリー・ウォード・ビーチャー)

この言葉で思い出したことがある。

ある戦火に巻き込まれ、家も国も失った黒人の言葉だ。

「戦争は変えられない。状況がなんにも変わらないなら、せめて笑っていよう」

そうやって、笑いを忘れなかった彼は、逃げるときに荷物になるからと報道カメラマンがおいていったカメラをもらい、やがてプロのカメラマンになった。

笑いは人を癒し、心を強くしてくれる。

ユーモアと一緒に進んでいく道に、笑いが光となって歩きやすくしてくれるだろう。

ユーモアのある人生とユーモアと無縁な人生。

それはきっとデコボコで石だらけの道を眉間にしわを寄せて歩くのと、あたたかい日差しの中、草の香りを嗅ぎハミングしながら歩くくらい違うはずだ。

ユーモアは、人生には必ずあった方がいい、そう思った。

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私には、感情を押し殺してただ真面目に生きなくてはならない時期があった。自分が何を感じているのかすらわからず、ただ時をつぶすような思春期を過ごした。

その影響なのだろうか、今も笑うのは上手ではないし、楽しいことをさがすのもへたくそだ。

けれど、この本にはそんな人でも笑顔になり、一つの出来事を違った視点で見て、楽しいことに変えてしまう魔法のような方法がたくさん書かれている。

試しに、今、マスクの下で気が付いたときに口角を上げる練習をしている。
身体から笑う体質は作れるのだそうだ。
身体をゆるめると気持ちがリラックスして心もほぐれる。
表情筋が動くと脳が騙されて、自然に笑った時と同じ効果が体に起きる。
マーサは笑顔の練習をして、心がどんどん明るくなっていったそうだ。
私も練習をしてからというもの、気が付くと形状記憶のように口角が上がっていることが多くなった。おかげで鏡に映る自分の顔を見るのも楽しみになってきた。

もう一つ、変化があった。

私はフラダンスの教室に通っている。レッスンの間に先生はユーモアが大好きな人で、合い間合い間にジョークを交え、レッスン中は笑いが絶えない。けれど私は、早くダンスの振り付けに進んでほしい思いから、「そんな冗談言ってないで先に進んでくれないか」とイライラすることが何回かあった。しかし、この本を読んでから、レッスンを受けてみると、先生のジョークが楽しく感じ、ひとしきり笑った後は、ダンスがいつも以上に軽やかに踊れたのだ。

すごい! これこそ、ユーモア体質の効果なのかっ!
とびっくりしてしまった。

こうやって、「ユーモア」から得られる小さな幸せを私は日々発見している。

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「笑ってリラックスしてもらうと、相手との距離が縮まる」

これも言われてみたらその通りで、笑った後には一気に親近感がわいて会話も弾むことが多い。ユーモアは、気遣いの一つで人間関係を良好にする大切なポイントでもあるのだと感心した。

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書かれていたワークの中で、一番のお気に入りは「ジブリッシュ」である。

「まったく意味のないでたらめ言葉で、表現をする遊び」、とマーサは紹介している。

話すことはなんでもいいらしい。

私は、どんな言葉で話したらいいのかわからないので、本書に書いてあった「ペレペレペレ」が楽しそうだと思い、最近よく独り言を「ペレペレペレ」でしゃべっている。
好きな曲に「ペレペレペレ」で歌ってみることもある。

最初は恥ずかしいのと、これ大丈夫か?と躊躇しながらだったけれど、やってみると「ペレペレペレ」としゃべっている自分がおかしいのと、言葉の音が軽やかで、終わった後なんともいえない楽しさが残り、病みつきになっている。ただ、危ない人だと思われないように、人のいないところでやるように気を付けている(笑)。

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他にもたくさんの学びをくれた本だった。

読み終わって、一番の気づきは「本当は私は無性に笑いたかったのだ」ということだった。

圧倒的に、私には笑いやユーモアが足りてない。

だから引き寄せられるようにこの本を手に取ったのだ。

この本に出合ってから、「何か面白いことをみつけてやろう」とアンテナを張るようになった。

そしてこうやって書いている今も、私の口角は上がっている。

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色とりどりの付箋がいっぱい貼られた本。

恥ずかしそうに差し出してサインをお願いすると、マーサはかえって喜んでくれて、にっこりと笑った。

「ぜひ、感想を聞かせてください」

私も、この本についてたくさん語りたい。そう思ったので、久しぶりにブログを書いた。

あらかじめ、当日サインが欲しいのでお願いします、と頼んでおいたマーサはなんとゴールドのペンを家から持ってきてくれた。

「本当は大事な友達にもプレゼントしたかったのでもう一冊欲しかったんですよ」

私がそう言うと、微笑んで、まるでドラえもんの四次元ポケットのように、もう一冊「ユーモアコミニケション」をバックから取り出し、販売してくださった。

これだ。

こういう気遣いのできる人に私はなりたい。

ユーモアを身につけると、きっとこういうことがすんなりと、自然とできるレディになるにちがいない。

サラサラとサインを書いてくれるマーサを観察しながら、私はひそかにそう思った。

 

 

 

ありがとう、マーサ。

 

本当にすばらしい本です。

これからも何度も何度も読み返そうと思います。

心から感謝をこめて。

 

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