「おかえりモネ」が3週目に入った。
今週は、帰省した百音の島ですごしてきた日々が思い出とともに描かれる。
島に帰る際の自然の美しさに目を奪われた。
自然は、まるで言葉のないメッセージの様だ。
百音は中学卒業まで家族と幼馴染たちと仲良く、音楽を楽しみ、音楽中心の生活を送っていいた。
しかしその生活は一変する。
東日本大震災だ。
2011年3月11日。
百音は合格発表を見に行くために父とともに島を離れた。
すぐに戻る予定だったのに、父に連れて行ってもらったジャズバーで女性がアルトサックスをカッコよく吹く姿に心奪われ、その場に残った。
震災がそのときに起きた。
島に戻ったのは数日後。
幼馴染たちも百音を見ても呆然としているのか反応がない。
泣きじゃくる妹・・・。
その日から、百音は音楽を自ら封印してしまった。
その年の夏、もう一度、音楽をやってみないかと誘う父に向って百音はいう。
「音楽なんて、なんの役にも立たないよ・・・。」
そのなんの感情もなく、ガラス玉のように無機質な百音の瞳。
言葉を返すこともできずに父耕司は部屋を出ていく・・。
この物語に震災が影を落としているのはバックグラウンドにあるとは思っていたが想像以上に早い段階で明かされた。
「音楽なんてなんの役にも立たないよ・・・。」
この言葉を聞いて、北野武さんの言葉を思い出した。
『しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。』
音楽や、芸術や笑いは人の心を豊かにする。
けれど、生きるか死ぬか、また身近に死や破壊がそばにある中で、それは確かに何も役に立つことはないだろう。
あの震災は日本中、いや世界中の人の心に影を落とした。
被災しなくとも、自分は無力で役立たずだと思い知った人がどれだけいただろう。
百音はあの島の人間で、しかも約束をすっぽかして自分の楽しみを優先したのだ。
それが1曲の音楽を聴きたいという小さな小さな楽しみだったとしても。
島に帰った後見た光景に百音は自分を許すことができなくなっていたのだろう。
百音が音楽に対して心を閉ざしてしまったことが痛々しくて見ていられなかった。
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また、今回出てきた浅野忠信さん演じる亮の父、新次。
・百音が台風の日に船を出してくれたのが第一回でわかっている。
・それが船に乗らず、おそらく仮設住宅の中にいるということ。
・みんなが及川家の話題に腫れ物に触るような対応をしていること。
・また百音の母が電話したアドレス帳の名前が女性だったこと。
以上から
震災で船と妻を失い、失意のまま仮設住宅にいるという設定なのではないかと予想した。
百音はどうやって自分の心の傷をいやしていくのか、また亮の父親は立ち直ることができるのか、そこに気象予想士という仕事はどう関わっていくのか・・・
これからがますます楽しみではあるが・・・。
今週は胸が締め付けられるような気持ちになる週であった。
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