個人的独断的古畑任三郎論 その1 好きすぎて古畑一色になった

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古畑任三郎

あなたの一番好きな映像作品は何ですか?

と質問されたことがある。

とっさに頭に浮かんだのは2作品だった。

一つ目が朝ドラの「ちりとてちん」

もう一つが「古畑任三郎」だった。

「好き」という言葉の先にある透けて見える意味に「ワクワクする、楽しい」があるとするならば

「ちりとてちん」はちょっと方向が違った。

「ちりとてちん」は見た当時も、今も、おそらく自分の心を一番動かす作品である。

そう考えると「好きな映像作品」という質問に該当するのは「古畑任三郎」になる。

私にとって「ワクワク、楽しい」だけでなく、何度見ても新しい発見のある大切な作品、それが「古畑任三郎」である。

その主演である田村正和さんが亡くなった。

古畑任三郎について書こうかなと思った矢先の訃報であった。

このドラマは田村さんがいてこそ成り立ったドラマである。

このドラマにはたくさんの魅力が詰まっており、書き始めたはいいが、書きたいことが出てくること出てくること・・・。

頭の中で、映像と音楽と、田村さんの顔がぐるぐる回る。

淋しさと、懐かしさと、それでも今でもも鮮明によみがえってくる印象的なドラマの回・・。

どれだけ好きなんだ・・・、私、とあきれてしまうほどだ。

ということで何回かに分けて、個人的、独断的な私なりの「古畑任三郎論」を書いていこうと思う。

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「古畑任三郎」はフジテレビ系で放送された刑事ドラマシリーズで1994年からスペシャル版もあわせて2006年まで放送されていた。

主演は先日亡くなった田村正和さん。

脚本は三谷幸喜さんである。

刑事物、推理物ではあるが、ドラマは普通のミステリーとは全く異なっている。

「倒叙法」という方法をとっているのだ。

 

事件が起きる→警察が動く→犯人を特定する

これが普通のミステリーとするならば「古畑任三郎」は

犯人が事件を起こす→古畑が捜査し、犯人をゆさぶる→推理する→視聴者へ挑戦→CM→犯人と刑事の決着

という構図になる。

 

つまり、犯人は先にわかっている。

そして犯人がいかにして古畑任三郎に追い詰められるか、犯人はなぜトリックを見破られてしまったのか、

「犯人の側から見せる」手法をとっている

のが「倒叙法」である。

同じような手法をとっている代表的なドラマに「刑事コロンボ」がある。

三谷さんはこのドラマの大ファンで、同じく大ファンの友人とコロンボクイズを出し合ったが、圧倒的勝利で三谷さんに軍配が上がったそうだ。

おそらく、この古畑任三郎というドラマはコロンボファンの三谷さんが作り出した日本版「刑事コロンボ」なのだろう。

余談だが個人的に私は、三谷さんは大変なミステリーファンではないかと思っている。

なぜなら、古畑シリーズが終了したあと、アガサクリスティーの作品「オリエント急行殺人事件」「黒井戸殺し」(原作アクロイド殺人事件)、「死との約束」などを野村萬斎さん(原作エルキュールポアロ)で制作されている。

これがまた原作に忠実で、おもしろかった。

古畑任三郎のトリックや事件や様々な伏線はミステリーファンならではだと思っている。

けれど、コロンボとはまた異なる点がある。

それは「視聴者への挑戦」である。

まるでエラリークイーンのようだ。

すべての時間が止まり、当たるスポットライトの中、古畑は視聴者に挑戦するのだ。

ん~、かっこいい・・・(≧∇≦)

犯人はすでにわかっている。

「トリック」、「古畑がなぜ気が付いたのか」、「消えた凶器」など、挑戦は多岐にわたる。

時にはヒントまで出してくれる。

これがまた田村さんがやるので、とてもかっこいい。

しびれるのである(≧∇≦)

古畑は目星をつけた人物に様々なゆさぶりをかける。

ボケて油断させたかと思うと、鋭い指摘をして警戒させる。

犯人はみな、古畑のやることなすことから目を離せなくなり、場合によってはは犯人が自滅的な行動に出るよう誘導されることもある。

そして謎を解かれたときは、素直に観念する。

時には、罪を暴いてもらいホッとしたような表情さえ見せる。

このハラハラするような丁々発止の駆け引きが、見どころの一つでもあるため、密室劇に近く、登場人物が限られている。

そのため、ゲストはいつも主演級の豪華俳優さんになる。

そのラインナップがまたすごかったが、これは後日、書きたいと思う。

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古畑が犯行経緯を推理し、謎を解き明かしたあと、犯人がいう。

「どこで私が犯人だと気が付いたんですか。」←言わない時もあるが大体言う(笑)

指摘されて、犯人は古畑の観察眼に感嘆する。

そこから緻密に時に意地悪に推理を検証していった場面を古畑の語りから視聴者は犯人とともに回想するのだ。

だから当然、私はもう一度録画したものを検証のため見返するのが常であった。

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私は基本的に血を見るのが大嫌いである。

古畑任三郎の良いところは、殺人は起きるがあまり凄惨でないというところだ。

注:(何回かはあった。ないと思っていたのにめずらしいく連続殺人だったりするとついつい悲鳴を上げてしまった)

じっくりと、推理を楽しむことができるのもうれしくて、あっという間にこのドラマの虜になってしまった。

また、オープニングがすばらしい。

ロゴが赤と黒。

古畑のシルエットと文字がパズルのように映り、そこに時間の進行をイメージするように真っ黒な直線が曲とともに伸びていく。

余計なものは何もない。

さあ、これから推理ドラマを存分に楽しんでください、と誘っているかのようだ。

このテーマ曲が好きすぎて、当時の私の携帯電話の着信音をはじめ、ダウンロードできるものはすべて「古畑任三郎のテーマ」一色であった。

たしか、「どうぶつのもり」の村メロもこれにしていた記憶がある。

 

そのほかにもこのドラマにはたくさんの魅力があった。

とても書ききれないので、次回につづく・・・

何回になるんだろ?(笑)

しかし、まずはこちらを書いておきたい。

 

田村正和さん。

すばらしい作品をありがとうございました。

本当に本当に、「古畑任三郎」大好きでした。

心からご冥福をお祈り申し上げます。

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