私がとても怖がりなのは家族、友人、会社でもかなり有名である。
女性としては170cmとかなり身長が高く、見た目が男っぽいのでそんな感じは微塵も感じないのだろう、
大変な怖がりだというと、見た目とのギャップからか、大抵の人にびっくりされる。
お化け、幽霊、心霊関係はもとより、ゾンビやホラー、スプラッタの類も全くダメ。
戦争映画、アクションなど、血なまぐさそうなもの、誰かが痛がったり悲鳴を上げて泣き叫ぶ描写は全く受け付けない。
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怖がりのくせに、好奇心も、ものすごく旺盛なので、いろいろと不具合が起きる。
いろんな映画とか、小説とか、内容を知りたい。
どんな構成で、どんな出来事が起きて、どんな結末を迎えるのか無茶苦茶知りたい。
しかし「怖がりな私」が情報を得るためには、前途多難、様々なハードルが待ち構えているのだ。
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たとえば、例をあげてみると。
先日、観に行った「るろうに剣心最終章」
感想はこちら ↓ ↓ ↓
るろうに剣心 最終章 The Final | フラットな気持ち (chihaya-pleiades.me)
原作を読んでいるし、主要キャラクター同士の戦闘シーンは美しい舞のようだから大丈夫だと思っていたら・・・
甘かった・・・。
一般ピープルや警察隊に向けての攻撃は想像以上に血みどろで、目を手で覆ってほとんど見ることができなかった。
指と指の間から見えるシーンに「まだ終わらないかな・・」と祈らずにはいられないし、時には
「ああ、ここから惨劇が始まるな・・」
と予想がつくと、トイレに立つという暴挙に出たりもするのだ。
ファンから見ると石を投げられそうである。
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ちょっと古い話になるが、草彅剛さん主演「BALLAD 名もなき恋のうた」を観に行ったときのこと。
クレヨンしんちゃんが原作だから大丈夫だと思い切り油断していた。
しかし、設定は戦国時代。
想像以上に合戦が血みどろであった。
矢が飛んできて、武将の首がいきなり飛んでいったシーンは映画館で抑えきれずに「ギャー」と声を上げてしまった・・・
それからしばらくは音が静かになる、つまり場面が変わったと予想されるまで手で顔を覆っていてじっと動けずにいた。
こんな場面が何回かあったので、映画館を出るころには疲れきり、フラフラになって帰宅した記憶がある。
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「十三人の刺客」のDVDを借りたときもそうだった。
あまりのおどろおどろしさにリビングで悲鳴をあげ、途中でリタイア。
にもかかわらず怖さに一晩一睡もできず、しばらく何日か悪夢にうなされたという経歴を持つ。
それからは三池崇史監督の作品は私の要注意リストに挙がった。作品は大好きなんだけどな・・・。
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夫は正反対である。
戦争映画や、スパイアクション系が大好物で、私のアカウントを使って勝手にアマゾンプライムビデオを見ている。
そのおかけで、アマゾンを開くとまず戦争映画が表示され、思わず「ひっ」と声が上がってしまう。
彼が見ている作品で、私が絶対に見ることができなくて、とっても興味があるけど、でも好奇心から内容が知りたい、作品がかなりある。
そんな作品はあらすじを聞いたりするのだが、夫は説明能力が乏しく、かなりざっくりな説明なので、結局はモヤモヤして終わってしまうことが多い。
たとえば、先日のことである。
夫が「アンフェア the answer」をプライムビデオで見ていた。
ドラマ版はちょこちょこ見ていたので、大丈夫かなと横目でチラチラと鑑賞を目論んでいた私。
しかし、冒頭のシーンでいきなり苦痛にゆがむ人の顔がアップになったのを見て、思わず悲鳴を上げた。
「ギャー!ダメ、この人これから死んじゃう・・・いやぁぁぁ!!」
リビングから速攻、脱出する私。
後で知ったのだが、これは私の好きな俳優さんの一人、吹越満さんだったらしい。
いや、気が付かなかったぞ。
要するにそれだけ余裕もなく急いでリビングから脱出するほど怖かったのだ。
「もういいよー」
危険な場面に逃げる私。
その場面が過ぎると、呼び戻す夫。
我が家では通常の風景になっている。
どうやら吹越さんは殺されてしまったらしい。
ストーリーは連続殺人事件で容疑者と目された人が次々に殺されていく、というものだ。
そのうち、篠原涼子さんの旦那さん役の香川照之さんに容疑がかかる。
そいえば、最終作に香川さん出てなかったよな・・・
え・・香川さんもしかして殺されちゃう?だから出てなかったの?え、死んじゃうの?
妄想MAXである。
そこまで考えて、夫に懇願する。
「ごめん、無理・・。あとであらすじ教えて。」
そして私は自室に籠ってしまい、時々トイレに立つとリビングのテレビをかの家政婦さんのように覗き見てはまた自室に戻るという時間を過ごす羽目になる。
そのあと、彼にあらすじを聞いたのだが、「途中、寝てしまってよくわからなかった」の一言で終わってしまい、私は「アンフェア」の結末を知らずにモヤモヤしながら今に至っている。
こんなのがしょっちゅうなのである。
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読書でも同じことが起こる。
「ゴールデンスランバー」が好きだ。
伊坂幸太郎さんの原作も
堺正人さん主演の映画も、ともに好きだ。
本でも映画でも、私のベスト3に入るくらい大好きな作品である。
先が見えないスリリングでスピードのあるどんでん返しだらけ。
本当にハラハラドキドキ、これもリビングから何度も脱出しながら見た映画である。
どの役者さんも素敵だったけど、濱田岳さんのキルオはものすごく印象に残った。
涼しい顔で、淡々と凶行を重ねる殺人鬼を演じた。
あんな演技を「怪演」というのだろう。
ちなみにこれも、あまりに怖かったので、リビングと自室をいったり来たりしながらやっと最後まで鑑賞できたのだ。
最近、もう一度読み返したくなって、寝る前に読み始めた。
夜だけど、内容も知ってるから大丈夫。
何度読んでもおもしろいな、どんどん惹きこまれていったのだけれど・・・。
途中から・・・
やはり怖くなって眠れなくなってしまった・・・(遠い目
この後、何が起こるのか、知ってるのに。
それなのにとっても怖い。
壮大な陰謀が主人公を飲み込んでいく。
確かだと思っていたすべての世界が足元が崩れていく。
主人公に感情移入するとドキドキハラハラも加わって目がさえてしまう。
気が付いたら夜中。
仕方なく、とぼとぼ起きてきて、ホットミルクを一人飲み始めた。
はぁぁぁぁ・・・・どんだけ怖がりなんだ、と自分に文句をいいたくなる。
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同じことがコミックやアニメにも当てはまる。
「ジョジョの奇妙な冒険」や「進撃の巨人」などは、ちょっと読んだだけで具合が悪くなった。
それでも「ジョジョ」は友人がやたらと勧めるのでやっとのことで2部まで読んだが、戦闘シーンはほとんど読めなかった。
「鬼滅の刃」が大人気だが、
私の怖がり体質を知っている友人からは
「あなだは絶対に見ないほうがいい」
と早々とくぎを刺された。
あれだけの大ヒット作なのに・・・と思うが、泣く泣くあきらめている。
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「でも推理小説とか大好きだよね?」
と、突っ込まれることもある。
しかし、推理小説の場合、ほとんどは「コトは終わったあと」なのだ。
あとからその軌跡をたどり推理するのが醍醐味であり楽しみである。
その場で人が痛がったり、悲鳴を上げている描写は少ない。
だからなんとか大丈夫なのである。
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人が痛がったり、血を流さず描写がなく、それでも感動できる作品を選ぶところから私のエンタメは始まるのである。
自分でいうのもなんだが・・・
エンタメが大好きなくせに、実にやっかいなめんどくさい人でなのである。
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