バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~

エンタメ

上演時間 7:25だと・・。

こんな早い時間は駐車場が開いてないので、電車で行くことになる。

電車で1時間。チケットを買う時間などを考えると6時に出るということは、5時起きである。

今日のこの時間を逃せば次回行けるとしたら来月になる。

しかもコロナ禍ということで、ここ1年以上は映画を見に行くことも控えていた。

それでも行くのかどうするか。

普段決断力のない私でも、この答えだけは決まっていた。

YESだ。

この映画だけはどうしても見に行く。

その映画の題名は

「バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~」

である。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

2016年年末。

大好きなドラマ「勇者ヨシヒコと導かれし七人」が終わりかけたとき、次のクールで始まるドラマの予告編が流れた。

6人のおじさんが、歯ブラシを加えている画。

遠藤憲一さん、大杉漣さん、田口トモロヲさん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さんの6人。

言わずと知れた、名脇役の方々である。

ドラマ名は「バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」と書いてある。

「何これっ!!」

この人たちが主役で、1クール(約3か月)連続ドラマをするというのかっっ。

私は、主役の俳優さんより、脇を固める俳優さんの方が好きだ。

ドラマは題名通り、この6人が役作りのため、シェアハウスで生活するという設定である。

その大好きな脇役の人たちに光が当たる。主役として「脇役」を演じる。しかも本人役で。

情報を集めたが、それ以外のことはこの時点ではわからなかった。

その日、私はどんなドラマになるのかワクワクし、想像してはうれしくて眠れなかったことを記憶している。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

始まってからは、一緒に餃子を作ったり、洗濯ものを干したり、普段強面な役が多いおじさん6人が、ほのぼのと日常生活を送る姿が描かれた。

また、業界内での評判が高いといわれており、「業界内視聴率30%?」というコピーが使われた。

ドラマの最後に素の6人が毎回飲み会している場面が映るのだが、それがまたわちゃわちゃしているおじさん6人が面白くて、名物になった。

その中で酔った大杉連さんが小日向文世さんに電話すると

「どうして俺のこと呼んでくれなかったの」

「ごめんごめん。」

といううらめしげに会話している場面も放送された。

ゲストも豪華で、役所広司さん、岡田将生さん、大森南朋さん、天海祐希さんなどが「脇役」として参加している。

中でも天海祐希さんは当時一緒にドラマを撮影していた遠藤憲一さんに直接交渉して急遽出演が決まったのだそうだ。

役所さんは同じ福岡出身ということで松重さん光石さんと博多弁でものすごくどうでもいいことをわちゃわちゃと話すのだ。

まるで少年のようだ。

あの、役所さんがである。

ニヤニヤしてしまう。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

その後、びっくりすることにシーズン2が始まった。(この回は寺島進さんは参加していない)

ドラマに出たかったバイプレーヤーの方が多かったのか、今回はさらにパワーアップした超豪華なゲストの方ばかりだった。

1シーズンで愚痴を言っていた小日向さんも参加している(笑)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

このドラマの最後あたり(おそらく2話くらいを残して)、大きな出来事が起こる。

大杉漣さんが急逝された。

信じられなかった。悲しかった。

芸能人が亡くなって、私が声を上げて泣いたのは大杉漣さんが初めてである。

ドラマ撮影中だったため、看取ったのは遠藤さん、田口さん、松重さん、光石さんその他スタッフとご家族だったそうだ。

4人は子供のように病院の廊下で泣いていたそうだ。

オフショットであれだけ仲の良い姿を見ていた私は、どれだけつらかったろうかとさらに胸がつぶれそうになった。

それでもドラマは最終回まで製作された。

最終回は、多くの人があつまり、「漣さんは生きていて、今お風呂に入っている」という設定で漣さんについて語る形で終わった。

漣さんはこのメンバー以外のバイプレーヤーズにとってもリーダーだったという。

どんな気持ちでみなさんが漣さんを語る演技をしたのかは、わからない。

漣さんは亡くなったばかりだ。大好きでみんなに愛されたその方を笑顔で語る。

どんなにつらいだろう。

辛くて悲しくてそれでもみなさんは、バイプレーヤーとして、笑顔で漣さんについて語っていた。

それがまた、悲しくて、私は最終回、正座しながら号泣した。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

漣さんがいなくなって、今度こそ続編はないと思っていた。

それが今年の1月から3シーズンが始まったのだ。

しかも映画になり、バイプレーヤーが100人でるという。

私の喜びようったらなかった。

しかも100人の中は私の好きな方ばかりだ。

私にとってバイプレーヤーさんの2トップは

津田寛治さんと光石研さん

だ。

 

津田さんの名前を見たときは、ガッツポーズをしてその日一日機嫌がよかった。

どうして今まで出てこなかったのだろうとずっと今までのシーズンを見てきて思った。

でも今回はかなり重要な役で出るようだ。

ああ、うれしいっ。(≧∇≦)

 

他にも大倉孝二さん、尾美としのりさん、渡辺いっけいさん、滝藤賢一さん、升毅さん 浜野謙太さん、尾上寛之さん、安藤玉恵さん、田中要次さんの名前を発見してその場で踊りたくなった。

利重剛さんの名前を見つけたときには完全に舞い上がり、その日の夕食の用意さえ忘れてしまった。

 

ああ・・・しあわせだ・・・。(≧∇≦)

このメンバーを3か月ドラマで見られて、しかも映画にもなるなんて・・・。

ミュージシャンにとっての紅白歌合戦。

プロ野球選手のオールスターゲーム。

まちがいなく、これはまさにパイプレーヤーズのそれに当たるのだ。

これは

バイプレーヤーズの、バイプレーヤーズによる、バイプレーヤーズのためのお祭り

なのだ。

 

ただ、この熱を伝えても受け取ってくれる方がなかなかいない。

でもいいのだ。

私はゴキゲンである。(≧∇≦)

バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~ DVD BOX(5枚組)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

そして、ドラマが終わり、映画を見に行った。

役所広司さんは今回も出ている。

北村一輝さん、有村架純さん、天海祐希さんも出演している。

バイプレーヤーズの方々は主役級の方たちからも愛されているのだろうなと思う。

バイプレーヤーは作品の最後に収まるパズルのピースなのだと思う。

出来上がって、あちこちいびつになった形を、最後の最後にどんな形になってでも名脇役が形を整え、ピタリと収まるピースの姿になって作品を仕上げ、花を添える。

そして完成した作品は、想像以上のさらにすばらしいものに仕上がるのだ。

 

微笑んだだけで優しくて幸せいっぱいの父親や母親になり

にらみつけただけで恐ろしい犯罪者にもなる。

ただの普通の人にも、とんでもない人間にも違和感なく、なれる彼ら。

そんなたくさんの引き出しを持ち振り幅の大きい表現ができるようになるまで、きっと彼らはたくさんの大変な経験をしてきたに違いない。

けれど、その経験を彼らはおくびにも出さない。

受け入れて、消化して、すでに自分のものにしてしまっている。

その生きざまが演技の先に透けて見えるのだ。

それでいて、誰ともかぶらない。

オンリーワン。唯一無二の面々。

だから私はバイプレーヤーズが大好きなのだ。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

映画に話をもどそう。

実にすてきな映画だった。

見ている側と、そして亡くなった大杉漣さんへのバイプレーヤーズ、スタッフからのラブレターのような映画だった。

最後の10分は涙がとまらなかった。

 

そして、みなさんのアドリブ応酬がすっごかったっ(笑)

濱田岳さんが後ろで本気で笑ってるところがあちこちで見られる。必見である。(笑)

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

ネタバレでない、個人的なこうだったらよかったのにな、という点だけ上げると・・

・利重剛さん、升毅さんの場面がもっと見たかったなあ・・。

・滝藤さんは元祖4人ともっと絡んでほしかったなあ・・

・ドラマ内ドラマ「大合併」、本気で見たいと思った。そのまま向井理さん主役で、ぜひ本気で製作してくれないだろうか・・・。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

朝早くから見に行ってよかった。

そして買ってきたパンフレットみて、早くDVDでないかなぁ・・と今もニヤニヤしている私である。

コメント

  1. […] この映画も、「バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~」とともに、どうしても見なくてはならない、と思っていた作品だ。 […]

タイトルとURLをコピーしました